コラム

迷子の経営者(1)

コラム 2016/02/29


先週末は3日間、ホテルに缶詰で自社の経営指針書の作成に
取り組みました。

新しいビジョンとともに、「やらない事」が決まりました。

戦略とは、戦で略す(やらない)事を決める事だ、と
言う人もいます。

24時間という1日の時間以外にも、ヒト・モノ・カネといった
限られた経営資源で最大の成果を出すには、
何をやるべきか以上に何をやらないかを決める必要があります。

やりたい事ばかり口をついては出てくるけれど、実際には
何も進んでいない・・・。

これは本当によくある事です。

しかし、思いだけでなく、やるべき事を決めた上で、
有効な計画を立てて着実に行動を起こしていく以外に
自力で成功する事は出来ないでしょう。

もちろん、棚ボタの成功はあるかもしれませんが、それでは
再現性がありません。

自力で成功してナンボです。

よく聞く話に、迷子の特徴というものがあります。

SUCCESS or FAILURE

迷子になった人は・・・

1)行き先が分からない。
2)生き方が分からない。
3)今どこにいるか分からない。

のどれかか、幾つかが当てはまるというものです。

1)行き先がわからないというのは、
童謡「犬のおまわりさん」に出てくる
子猫ちゃんの事です。

行き方を教えてあげようとしても、どこに行きたいのか
分からないのではどうしようもありません。

しかし、実際にはこういう人がかなり多い気がします。

そのような場合は、自分史を書くつもりで、自分の人生を
つぶさに振り返ってみてはいかがでしょうか。

過去を振り返る事で、自分の強みが見えてきます。

また、その強みが過去の挫折や悩みによって
もたらされている事などに気付くことでしょう。

そして、その積み重ねが今の自分であり、その自分は過去の
経験によって出来ている事が分かります。

その積み重ねで培ってきたもう一つの大切な物が価値観です。

喜びも幸せも、怒りも悲しみも全ては価値観によって
起こされる感情です。

人は、自分の価値観にあった人や物に囲まれると、
喜びや幸せを感じ、逆に自分の価値観が傷つけられるような
人や経験に遭遇すると怒りや悲しみを覚えます。

ですから、自分がやりたい事、すなわち、自分や会社の
喜びを伴う「行き先」は、過去に隠されていると言える
でしょう。

経営とは、なかなか大変なものです。

いい事ばかりではありません。

法改正や競合他社の動き、天災や人災など、
コントロール出来ない事で急に厳しい状況に
追い込まれる可能性もあります。

だからこそ、本当に自分が喜びを感じるものを商品に
組み込まないと、長く続けられません。

そういう意味では「迷ったら、好きな方を選ぶ」
というのは大事な判断基準だと思います。

また、「最近何がしたいのか分からなくなってきた。」

という経営者さんもよくいらっしゃいます。

それは、ビジネスを興(おこ)した過去の自分が
成長したため、当時の価値観より進化、あるいは
深化した価値観が自分に身についており、
何か漠然とした満足できない感情を
感じているのかも知れません。

起業して10年ほどした頃、見た目に
うまくいっている経営者に多いようです。

このような場合も、もう一度経営計画を見直すといいかも
知れません。

迷子の経営者(2)に続く・・・



pagetop