コンサルティングの中でよく受ける相談が、
せっかく新しい取り組みを始めても続かないというもの。
「継続は力なり」という教育的な言葉が存在するということは、
継続することが出来ない人が多いという事でしょう。
何か新しい事を身に付けたり、組織に落とし込んだりしていく段階を
いくつかに分けた時、習慣化は最も難しい部分かもしれません。
1)やるべき事をやっていなかった事実に気付く。
2)その事実を通じて、やるべき事のやり方を学ぶ。
3)やり方を知ったら、実際にやってみる。
4)そして、それを習慣化する。
1)〜4)までの全てがコンサルタントの仕事の範疇であると私は考えています。
1)〜3)は比較的簡単です。
コンサルタントと名乗るからには、
誰しもその分野に特化した情報やノウハウを持っているため、
一般の経営者に気付きを与え、やり方を教え、
それをやってみてもらう事くらいは出来るでしょう。
問題は、その次の習慣化です。
自分の事でさえ容易ではない習慣化を、
他人や会社の組織に落とし込むというのは、なかなか難しいものです。
私達はこの習慣化を仕組みで考えます。
まずは動機をしっかり作ります。
出来る・出来ないという動作的な難易度で言えば、
おそらく簡単に出来るはずの事。
この、言わば「当たり前の事」を、
誰もやらないレベルまで高めていく事こそが、
差を生み出します。
この「当たり前の事」を習慣化したらどんな未来が
待っているのか、あるいは、これを身に付けないと
どんなものを手放してしまう事になるのか、
心理的、物理的側面からメリット・デメリットを
理解していただきます。
さらに、習慣化が可能である事を
論理的に説明します。
その一つが、既にある習慣に新しい習慣を結びつけるという事。
例えば、月一回の社員面談をする事を社内に
根付かせようとした場合、月例の営業会議の後にやるとか、
月に一回の税理士さんの来社日を
社員面談の日にするなどがあるでしょう。
また、社長がコミュニケーションを図るために、
毎日社員3人に何か話し掛けようと決めた場合も、
同様に自分の習慣化されている行動に
これを結びつける仕掛けをしておくと良いでしょう。
例えば、毎朝使う歯ブラシを目立つようなものに変えてみる。
男性であれば、髭剃りを買い替える。
今は、スマートフォンのアラームに
メッセージを仕込むことも出来ます。
お昼の習慣もあるでしょう。
マイ箸を持つ。
コーヒーカップを替えてみる。
夜は、好きなお酒を飲む為に、お気に入りのグラスを買ってみる。
パジャマを替えてみる。
などなど。
このうちいくつかを実行すれば、
新しい事をやろうとしていた事を
忘れることはないでしょう。
少なくとも、忘れていた事を思い出す事は出来るはずです。
このように、継続し続けるために、
まずは習慣化を始めた事を忘れない仕組みを
作ることが習慣化の第一歩です。
次のステップは、また次の機会にお話しします。