コラム

クライアントの話を聞いてはいけません?

コラム 2016/01/29


クライアント企業様から、こんなお話をいただくことが

あります。

クライアント様;
「社員がなかなか主体的に動かないのですが、

もっと経営の視点を持って自ら動けるように

指導をしてもらえないでしょうか?」

私;
「はい。やりません!」(笑)

couple having argument - conflict, bad relationships. Angry fury woman screaming man closing his ears.

まあ、もちろん、いきなり「やりません」とまでは

言わないまでも、社長の欲しい「結果」を具体化し、

深掘りしてお話を伺ってみると、

本当に欲しいものは経営者の視点を持って動く

社員を育てる研修の実施ではなかったりします。

これを鵜呑みにして、社員研修をおいそれと

引き受けてしまっては、契約が続きません。
なぜなら、結果として、社長は本人が本当に

欲しいものとは異なるものを買わされてしまう

ことになるからです。

これは、転んで頭を打った人が、

「頭が痛いのですが。」

と薬店で言った時に症状や原因を聞きもせずに、

頭痛薬を買わされるようなものです。

「だって、頭が痛いって言ったでしょ?」

と真顔で言う店員をどう思いうでしょうか。

同様に 社長が本当に欲しくはないものを

知ってか知らずか「押し売り」してしまい、

高いお金を取るコンサルタントが重用される訳が

ありません。

では、社長が本当に欲しかったものは何でしょうか?

多くの場合、売り上げを伸ばすことであったり、

利益を増やすことであったり、

より多くのお客様に喜んでもらったりする事で

あったりします。

もっと言うと、究極的には経営者としての安心感や、

成長、貢献のニーズなどを満たしたいという事になるのが

ほとんどです。

この表面的な訴えと、本質的な欲求をしっかり

聴き分ける能力があるかないかが、

結果の出るコンサルタントか否かの分かれ道でもあります。

この本質的要求が分かってはじめて具体的な戦略や

戦術を提案していく基礎が出来るのです。

コンサルティング以外の一般的なビジネスの

世界においても、お客様が欲しいものの本質を

聴き分ける能力があるかないかで、
結果は大きく違ってきます。

「もっともっとお客様に支持される商品を提案して欲しい。」

というのは、「(上司である)部長を納得させれば

何でもいいんだよ。」であったり、

「市場をあっと言われるような商品が欲しい。」

というのは、「他者の新商品開発の動向を知りたい。」

であったりします。

私は、バイヤー(商品の買い付け)の

仕事に長く関わってきましたが、

いわゆるデキるセールスは、

このような真意=深意に気付く事が

出来る人でした。

さらに優秀なセールスは、質問によって

バイヤー自身すら気付いていない

深い意図に気付かせる事が出来ました。

彼らは「売る」ことはしません。
ただ、バイヤーが「本当に欲しいもの」を

ジャストタイミングで、ジャストプライスでスッと

手元に差し出すだけです。

「これなんかどうでしょう。」と、言いながら、

適正利益を乗せて。

そんな、お客様に本当に喜ばれる聞く技術を

セミナーでお伝えしております。



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