コラム

商品価値の正体

コラム 2016/01/31


facebookのアプリを

使用することに関して

警鐘を鳴らすニュースや

投稿を良く見かけます。

「このアプリを使うと、

あなたの個人情報や友達の情報を

ごっそり持って行かれますよ!」

といったものです。

もちろん、中には本当に悪質なアプリが

含まれていることもありますので、

簡単にこの問題を片付けてはいけません。

しかし、本当のところどうなのか

気になります。

実際には、いろいろなものが混ざっている

というのが現実でしょうが、

どうしても個人情報を取られたくない、

ということであれば、一番安全なのは、

facebookをやらないことです。

そこで今日は、そもそもfacebookとは

何なのか考えることから始めてみたいと

思います。

facebookは、

ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)

という形で、人と人とのつながりを促進、

サポートする「コミュニティ型の会員制の

サービス」ということになると思います。

しかし、facebook開設者、

マーク・ザッカーバーグの2014年の資産が

4兆円に迫るということは、

そこにお金を稼ぐ強い仕組みが

あるということでしょう。

もちろん、私たちが個人ユーザーとして

facebookを使うぶんには無料です。

しかし、企業や個人のfacebookページを

立ち上げ、そこから広告を出すと

お金がかかります。

これがfacebookの大きな収入源の一つです。

このfacebook広告。

経験した人なら分かると思いますが、

非常に効率的な宣伝活動ができます。

例えば、「東京中心部から半径20kmに住む

22歳から29歳の、ファッションと

お料理に興味のある独身女性に

平日午後8時から深夜0時までに」

といった絞った形で広告を

届けることができます。

これを可能にしたのは、他でもない

「東京中心部から半径20kmに住む

22歳から29歳の、ファッションと

お料理に興味のある独身女性」が、

「東京中心部から半径20kmに住む

22歳から29歳の、ファッションと

お料理に興味のある独身女性」であることを

facebookに登録する時に

申告(入力)したからです。

そして、この女性たちが仕事を終え、

家に帰ってシャワーを浴びて、

ふと午後10時にfacebookを開くと、

その広告が目に飛び込んでくるわけです。

そして、こう思うのです。

「あ!おしゃれな、お料理教室が近所にできたんだ!

彼氏にサプライズでクリスマスディナーを

作ってあげようかな。」

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また、友達の投稿だけにとどまらず、

facebokさらに楽しんでもらい、

サイト内での滞留時間を長くして

もらえるように、様々なアプリや

読み物が提供されています。

そうすれば、より広い時間帯に

おいて広告を見てもらう可能性が

上がります。

このアプリやニュース記事なども、

興味がありそうな人に

グッドタイミングで目に飛び込んで

くるはずです。

そして、このような広告やアプリに

興味を持って記事を見ると、

そのクリック履歴から

同様のものが目につくようになります。

同様に、コンビニやスーパー、

公共交通機関などで使える

電子マネーなどにも購買履歴が

記録されているはずです。

この電子マネーによる複数の商業施設での

購買履歴データが活用されているからこそ、

私たちがわざわざ隣の駅まで

毎週買いに行っていたお気に入りの商品が、

自宅最寄りのコンビニの品揃えに

加わったのかもしれません。

「これを情報をごっそり抜かれた」

と言えばその通りですが、別の見方をすると、

効率的に欲しいものが手に入るように、

販売者側が努力をしていると

見方を変えることもできます。

このように考えると、

「ごっそり抜かれている」と日々の生活に

過度に不安を抱いて毎日を過ごすか、

「供給側が勝手に私にぴったりのものを

運んできてくれて便利だわ」

とちょっと得した気分になるかは、

自由に選んでいいのではないかと思います。

そのためにも、世の中にある様々な

サービスが提供している価値の本質は

何なのかを意識高く観察することが大切です。

そもそも、「ごっそり抜かれるから要注意!」

などと読者を不安にさせるような

見出しで読者を煽り、そのクリック数を

稼いでいる記事すらも、「ごっそり抜いている」

わけですから。

目に見えている商品やサービスだけが

価値ではありません。

「あ、これ欲しい!」そう思ったら、

なぜ欲しいのか、その価値の本質を

複数の方向から見てみてはいかがでしょうか。

マーケッターはそれを確信的についてきます。

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もし、あなたにもそれが

自覚できるようになれば、

ご自身の商品開発力、価値想像力が

ぐっと高まっていくはずです。

そして、今度はあなたが市場に

ある様々な商品の様々な価値の見せ方の

バリエーションを「ごっそり抜く」番です。



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