コラム

売り上げの掛け算と足し算

コラム 2016/02/21


賃貸不動産業界の方から販促物を利用した集客方法と
その顧客化の仕組みで売り上げアップを図りたい
との相談がありました。

売り上げを上げると言っても、意外と漠然と
していて、実際には何をしたらいいのか
わからないという声をよく聞きます。

そこで、「売り上げ」を分解してみることで
アプローチできることを探ってみます。

よくあるのが・・・

売り上げ=客数×客単価×購入頻度

という方程式です。

客数を増やすため、客単価を上げるため、
購入頻度を上げるために販促物を利用して
どういうアプローチし、
どのような仕組み化ができるか、
考えればより具体的な対策を練ることが
出来ます。

また、客数をさらに分解すると・・・

客数=見込み客数×顧客化率(営業効率)+既存顧客

なので、さらに再分解して、

見込み客数を増やすこと、
見込み客を顧客化する確率(営業効率)を上げること、
既存顧客を減らさないことなどの対策の
打ち手が広がります。

ただ、売り上げを形作る方程式は
これだけではありません。

power of the steam machines - locomotive wheel

賃貸不動産の場合・・・

ファミリー層の契約金額+新婚さんの契約金額+
単身赴任の契約金額+学生の契約金額+
お年寄りの契約金額+法人の契約金額(客層別)

駅前立地の契約金額+住宅街の契約金額+
学生街の売り上げ(立地別)

(平日来店者+週末来店者)×契約単価(曜日別と単価)

(午前の来店者+午後の来店者+夜の来店者)×契約単価
(時間帯別と単価)

A店の売り上げ+B店の打ち上げ+C店の売り上げ(店舗別)

Aさん(社員名)の売り上げ+Bさんの売り上げ+
Cさんの売り上げ+Dさんの売り上げ(セールス別)

など、いろんな売り上げの分解の仕方があります。

この分解された一つ一つに対して何ができるか?

環境改善、戦略改善、社員の行動改善、
社員の能力アップなどの視点で洗い出した上で
最も効果が出るものからやっていくと早く結果が
出てくるはずです。

今回は、販促物を利用した集客方法と
その顧客化の仕組みを変えることなので、
上記にどうアプローチできるかを段階的に
(仕組み化視点で)検討することで
具体的な売り上げ向上策が見えてくることでしょう。

ただ、ポイントは掛け算なので、
各要素が1(標準レベルの実力)以上の部分は
必ず計算後の数値は増えますが、
もし、1(標準)以下の部分があれば、
掛け算をしても、数字が減ってしまうということです。

したがって弱い部分があれば、
その弱いところを足し算で、
まず標準レベルまで積み上げることが必要です。

10×10=100(増)

10×1=10(不変)

10×0.5=5(減)

という具合に、弱いところ(1以下の部分)があると、
掛け算では数字が増えない、あるいは、減るわけです。

それどころか、

1×1=1
1+1=2

1×2=2
1+2=3

のように、弱い部分は掛け算の仕組みを構築するより、
足し算の積み重ねの方がより多くの結果が出ることと
なります。

これは、無理にレバレッジを効かせたシステム化を
するよりも、まずは、足し算で一つ一つ足場を固める
「足し算」の積み重ねが大事であることを示唆しています。

どうしても、新規事業を立ち上げようとするときには、
既にある事業の例にならって掛け算思考でものを
考えがちですが、元となる価値を生み出す仕組みは
足し算でなければ生まれません。

この領域では、地道にやっていくしかないのです。

そして、ビジネスのコアとなる価値創造の仕組みが
できたら、既存の販売ルートや販促ツールとの
「掛け算」を考えていけば比較的スムーズに
スタートアップできるはずです。

今、そのビジネスに必要なのは
掛け算でしょうか?

それとも、足し算でしょうか?

それが明確になったら、やらなくていいことを
「引き算」すれば、より早く結果が出ることでしょう。



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