コラム

結果の出るコンサル

コラム 2016/01/23


世の中には数多くのコンサルタント

がいます。

また、その種類も数え切れません。

どんなコンサルタントが再現性を持って

結果を出せるのでしょうか?

私は、米国留学から帰国したばかりの

30代の前半、

東京の戦略系経営コンサルティング会社に

勤めていました。

専門は、大手メーカーやサービス業、

出版社といった企業向けの経営戦略や、

政治家の選挙選の戦略策定などで、

会社の規模は小さいながらも

かなりの実績と信頼があったようです。

その社長は、クライアントさんに

いつ、どこで、何を聞かれても

ぴしゃりと的を得た答えを出していました。

それは誰もが「うーん。」と

唸るような本質的かつ、

具体的な答えでした。

私はある日、社長に聞いてみました。

「何で異なる業界の社長の

とっさの質問にそのように

対応出来るのですか?」と。

社長は、まだ経験不足の私を戒めるように、

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こう言いました。

「クライアントの事を死ぬ程考えて、

日々勉強していれば、

答えはすっと頭に降りてくるもんだよ。」

なんだか、煙に巻かれたような

気もしましたが、その時は

「そんなもんかぁ〜。」と思い、

帰り道の本屋で気になる本を

10冊くらい買い込み、

寝不足になったのを覚えています。

それから約15年。

珠玉混交のコンサルタントの中で、

うまく結果が出せるコンサルタントと

そうでないコンサルタントの

岐路となるのは何なのか。

私なりにもその答えが見えてきました。

その一つが、物事の原理原則や

科学的アプローチで導き出された

フレームワーク(枠組み)を

どれだけ知っているか、

ということです。

日本人なら四季、すなわち、

春夏秋冬というフレームワークを

知っています。

冬になっていくこれからの時期、

衣料品店では薄手のセーターなどを

早く売りさばき、厚手のセーター、

コートを準備します。

家電量販店では、こたつや暖房機器、

あるいは加湿機を準備するでしょう。

食料品店では、おでんやその他鍋物を

仕入れ、販売の計画を練る時期です。

これらの準備は、

これから気温が下がり、

空気が乾燥し、

旬の食材が変わることを

知っているから出来る事です。

しかし、日本のこれからの気候を

予測出来ない人は、

相変わらずこれまで売れていた

実績を頼りに、秋物や正月製品を

大量に仕入れてしまいます。

コンサルタントも同じように、

この季節の流れのような

ビジネス上の枠組みを

知っていさえいれば、

一般的な経営者が

気付けない盲点に先に気付き、

次の対策を先に打っていく事が

出来ます。

・人は商品をどのような順を追って

 認知し、購買行動を起こすのか。
・売り上げや利益の要素は、

 どのように構成されており、

 それがどのように影響し

 合っているのか。
・商品構成をどのように

 組めば、もれなく客層を

 拾っていけるのか。
・価格を相対的に「高い」「安い」と

 感じる心理的構造は

 どうなっているのか。

このようなフレームワークを

知った上でクライアントや

自社の現状を把握すれば、

何をどの順番でやっていけばいいのか、

打ち手のパターンが見えてきます。

このために、「クライアントの事を

死ぬ程考えて、日々勉強」する

必要があったのか、

と今、思えるようになりました。

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あの時、社長の言った言葉の

煙の先にあったもの。

クライアントの事を死ぬ程考えるだけでは

足りなかったもの。

それが、何か、コンサルティングの

現場で伝えできればと思います。



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