コラム

人生をデザインする

コラム 2016/03/09


戦後、豊かさを求めてがむしゃらに働き続けて
くれた先人達の文字通り血の滲む様な
努力によって、世界有数のGNPを叩き出し、
先進国の中でも特に大きな存在感を示し続けた日本。

当時は「右肩上がり神話」が厳然として
存在しており、終身雇用、年功序列という
日本ならではのシステムは、国民が安心して働ける
社会通念として機能し、企業と個人の成長を支えて
来ました。

しかし、「最も成功した社会主義」とまで揶揄された
日本式経営モデルは、時代の流れとともに終焉を
迎えようとしています。

特に、バブル期に大量入社した40代半ばから
後半の団塊ジュニア層の人件費負担は、
特に安定性のある優良大企業においては
重くのしかかっている事でしょう。

既得権として既に、「そこそこ」いい給与を
もらっている人達。

よほど嫌な事でもない限り、
辞める理由は探しても見つからないでしょう。

しかし、その全ての人が会社や社会のために
「本気」で働いている訳ではない事が推察されます。

かと言って、彼らをクビにする理由もない。

現代日本が解決すべき大きな問題の一つです。

彼らは20年前に約束されていた終身雇用、
年功序列という神話の中で確かに「下積み」を
してきた人達。

もちろん、ビジネスパーソンとして、最も脂の乗る
世代ですから、活躍している人も多いのでしょうが、
そういう人は、計らずも転職や独立する傾向も強いものです。

そして、頑張らない人が会社に残るという矛盾。

人材の流動化も二極化していると言えるのかも
しれません。

先日の東洋経済ONLINEで、ロート製薬の
「副業解禁」の記事を目にしました。

ロート製薬の「副業解禁」が示す本当の意味

ロート製薬は「会社の枠を超えて培った技能や人脈を
持ち帰ってもらい、ロート自身のダイバーシティー
(多様性)を深める狙いがある」と述べていますが、
どこかで年功序列、終身雇用に対して白旗を
振ったのかもしれません。

これからの時代、企業も生き残りをかけて
様々な政策を打ち出して来るはずです。

そんな今、私達は何をすべきでしょうか?

時代の流れも、会社の動きもコントロールは
出来ません。

お金、社員、法律、環境。

自分の会社ですら、コントロールは出来ないのです。

自分の右手の人差し指を曲げるようには、
会社は動きません。

大事なのは、コントロールできないことを
コントロールしようとして、「うまくいかない。」と
嘆くのではなく、コントロールできることに絞って、
最も効果の高い行動を起こしていくという事です。

その第一歩は、充分な調査をした上で、
歩むべき将来を仮定し、スタート地点の現状を
正確に把握する事。

そして、そのギャップを埋める正しい戦略を作り、
着実に実行していく事です。

ポイントは客観性と主体性。

The Yin-Yang Symbol .

過去や現在の状態を把握する為のデータや環境は
「現象」として、意図を入れずに分析する。

場合によっては、より正確性を求める為に
専門家の意見を取り入れる事も必要です。

一方、まだ見ぬ将来は自分が主体的に自ら道を
切り開かねばなりません。

誰も、あなたの将来なんてデザインしてくれません。

もし、それを怠ると社会のシステムの中で便利な労働者、
そして納税者という役割を「担わされて」しまいます。

サラリーマンでいる事がよくないと言っているのでは
ありません。

サラリーマンであっても、自分の人生は自分で描く
必要がある訳です。

実際に年商3000万の会社「社長」と、
1000億円の会社の「課長」を比較しても、
自分の人生をデザインできる量と質が異なるだけで
あって、どちらが自由かと冷静に考えた時、
どちらも不自由だったりする訳です。

ただ、両者に平等に与えられているのは主体性を
発揮して自分の生きたい人生を歩む事と、
1日に24時を間使える事です。

これは、当たり前のようで、意外とそうでも
ありません。

世界に目を向けると、生まれながらに貧困の
連鎖という鎖に縛られた人、奴隷として生きていく
しかない人などが、物凄い数、存在しています。

せっかく、この豊かな時代の豊かな国に
生まれたにもかかわらず、自ら社会の
「奴隷」になる必要はありません。

自らの人生をデザインし、本当の自由を手に
入れたいものです。

そんな、主体性を発揮出来る大人がたくさん活躍する
社会を作るべく、私も主体性を発揮してまいります。



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