今日はクライアントさんからの質問頻度が
最も高い、面接で求職者の資質を
見抜く質問の技術についてお話しします。
<よくあるお問い合わせ>
【面接時に、「協調性」があるかどうかを
引き出す質問の事例を教えてほしい】
言うまでもなく「あなたは協調性がありますか?」と
面接時に訊いても「いいえ、私は協調性に
乏しい人間です。」と正直(?)に答える人は
いません。
では、どのようにして協調性、すなわち、
求職者の資質のあるなしを判断すれば
いいのでしょうか?
もちろん完全に人を見抜くなどということは
出来ませんし、その日の気分や体調によっても
人の性格は微妙に変わってきます。
しかし、そのような中でも汎用性があり、
一定の成果の出ている質問技術について
お話しします。
【欲しい人材の資質を見抜く面接質問例】
~例;協調性の場合~
0)事前に会社の5~10年後の理想の
状態から逆算した求める人材像と
その人材に求められる協調性のあり方を
会社として(面接担当官の個人的価値観では
ない)明確にしておく。
例;今後は国際化が進み、外国人従業員や
外国人顧客のニーズにも応えていく必要がある。
したがって、空気を読んだり、議論を
恐れたりして何も言わない、
あるいは流されてしまうようなものは求める
協調性ではない。
間違った方向に行っているときに
ダメなものはダメ、と言える勇気も必要。
また、そのような議論ができるような
職場の雰囲気を作り出せるリーダーシップも必要。
チーム運営を円滑にするための環境づくりと、
それをリードしていく意志の高さを協調性と
定義する。
*ここが最も重要なポイントになります。
そもそも協調性とは何かという定義付けが
出来ていない状態では、いくら質問技術が
高くても意味がありません。
この条件定義をした上で質問をします。
1)あなたは協調性についてどのように
お考えですか?
→相手の考え方を訊きます。
2)なぜそう思うのですか?
→そのように考える背景、意図を訊きます。
3)あなたが協調性を発揮し、チームや
コミュニティに「貢献した実績やエピソード」を
聞かせてください。
→具体的なエピソードを訊くことで、
より具体的な協調性像を確認します。
また、理屈だけでなく、実践しているか
確認する意図もあります。
4)その時、周りの人は何と言って
くれましたか?
→独りよがりの「実績やエピソード」でないか
確認します。
5)他にありますか?
→協調性やリーダーシップなど、
面接でよく聞かれることに関しては
事前にストーリーを準備していることがあるため、
複数のエピソードについて話してもらうことで
準備されていないストーリー掘り起こしてもらい、
リアルな実践が出来ているか確認します。
6) 0)で決めた会社の5~10年後の
ビジョンから逆算した求める人材像と
その人材に求められる協調性のあり方との差異、
親和性を鑑み、合否の判断材料とします。
というプロセスで会社の求める資質の人材を
かなりの精度で見抜くことが出来ます。
こうすることで、人事の評価と所属部署での
評価がガラッと異なるようなことが防げます。
また、プロセス0)で定めた協調性像を
評価制度に組み込むなどして社内に
周知させることで、日々の社員育成に
一貫性が生まれ、社員の効率的な育成と、
離職率の低下などの副次的効果が期待できます。
このように、会社の目指す将来像から
人事戦略を考え、求める人材像を
定義していくという考え方が重要です。
皆さんの採用が成功し、会社の業績向上に
つながることを心から願っています。