コラム

モテない人事担当者が新卒求職者に話すこと

コラム 2018/03/16


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新卒採用を考えている企業では、
これから学生さんとお話しすることも
多いでしょう。
あなたはキラキラした目をした初対面の
学生さんに、どのようなお話をしていますか?

もし、あなたがこのような話をしていたら
要注意です。

・自社の強み
・自社商品の魅力
・あなたの会社で働く喜び
・あなたの会社で実現できる輝ける未来

初対面の学生にこのような話をしても
「引かれ」てしまい、「スルー」されるのが
オチです。
初対面の異性に、自分の得意なこと、
自分の持ち物の素晴らしさ、
自分と一緒にいる喜び、
自分と一緒にいることで実現出来る
輝ける未来を語る人がモテる
でしょうか?

もちろん「引かれ」てしまい、
「スルー」されるでしょう。

もちろん、いづれのトピックも
いつかはお話しするべき内容かもしれません。

しかし、これらの話をするタイミングが
とても大事です。

私たちは求職者との関係性の深まるプロセスを
SKY理論として説明しています。

大まかに言うと、企業と求職者の心理的関係性を
深めていくプロセスを
S;知ってもらう
K;価値観を分かち合う
Y;役割を分かち合う

という順で示したものです。

<SKY理論のお話はこちらから>

しかし、この最初のステップである
「知ってもらう」には大原則があります。
それは、相手があなたの会社の求職者であり
あなたの会社に興味を持っていると
いうことです。

どういうことか?

合同企業説明会や個別の会社説明会に来た
段階での学生は、まだ本来の意味での
「求職者」にはなっていないことがほとんどです。

また、就職はしたいけれど、まだ
「この会社に入りたい!」という
確固たる気持ちは持っておらず、
「この会社ってどうかな。変な会社じゃないかな?」
と人事担当者の様子を探っている状態です。

そのような心理状態の人の目に、押し売りのように
スラスラと「話し慣れた」「会社都合の耳より情報」を
「上から目線」で「洗脳」しようとする
「うすら笑顔を浮かべた」
「スーツを身にまとったオトナ」はどのように
映るでしょうか?

きっと圧倒さてしまったり警戒感を抱いたり
することでしょう。

そうなのです。

「S;知ってもらう」前に、「相手を知る」ことが
必要なのです。

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まず、相手が何を求めているのか知り、
その求めに応えられるような情報を
知ってもらわなければ意味はないのです。

少し難しい話になりますが、アメリカの心理学者、
アブラハム・マズローは人の欲求の段階を5つに分け、

生存(生きるための生理的な基本欲求)

安全(生存欲求を安定的に獲得する欲求)

所属(集団に帰属し、そこで役に立てる欲求)

承認(集団内で他から尊重される欲求)

自己実現(自己の可能性の最大化欲求)

の順番で欲求が発現してくると説明づけました。

また、同じくアメリカの臨床心理学者、
フレデリック・ハーズバーグは
職務満足および職務不満足を引き起こす要因に関し

衛生要因(仕事の不満足を引き起こす要因;
マズローの言う生存欲求・安全欲求・所属欲求)

動機付け要因(仕事の満足度を上げる要因;
マズローの言う承認欲求・自己実現欲求)

の2つの要因を挙げました

その上で仕事の「満足」要因(動機付け要因)と
「不満」要因(衛生要因)は別軸ものであるとし、
ある要因が満たされると満足度が上がり、
不足すると満足度が下がるということでは
ないということを提唱しました。

この2つの理論を鑑みると、戦争や飢餓が起こって
いない日本においては、一般的には生存欲求の
次の段階の「安全欲求」から順に埋めて
あげることが必要であることがわかります。

安定的に生活していける環境が会社に
あるかどうか(安全欲求)、会社の組織に馴染め
自分の役割があるかどうか(所属欲求)が
満たされることが仕事に関する
不満足(衛生要因)をクリアさせ、
そして初めて仕事の喜びや満足を感じさせる
出世の可能性(承認欲求)や、やりたいことが
出来る環境ややりがいを伝える必要があります。

しかし、これを順序立てて学生さんに
お話ししている企業をあまり知りません。

学生さんはこの情報を知ればいい就職が
できるという条件を知りません。

ただ漠然とした不安を抱えていることが多いもの
です。

ただ、調査さえすれば、学生さんが何を思って
いるのかについて多くの情報は手に入ります。

インターネットの検索エンジンで
「就活 不安 ランキング」などで調べてみると
多くの学生の悩みが出てきます。

あるいは、会社の新入社員にどんな悩みを持って
いたか聞いてみるのも、業界やその会社の
リアルな情報源として貴重なものです。

このような求職者の困りごとに関する情報を
持った上で、その困りごとの緩和や解消に
向けた自社の実例や取り組みをお伝えした上で、
自社のやりがいや、活躍の場の提供の話をすると
多くの学生さんがあなたの会社のことを知りたい
と思う心の準備が整うはずです。

是非、「相手を知る」ことから始めてみてください。

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