コラム

【コンサルタントにとっての仕入れ】

コラム 2016/01/25


魚屋さんは、昨日お客さんに預かった

売り上げ金を持って、

今日売る為の商品を仕入れに市場へ行く。

昨日のお客さんや、今日初めて出会えるかもしれない

お客さんの為に、より良いものをより安く仕入れる為に、

毎日毎日。

魚は鮮度が命だから毎日行かなければならない。

また、市場では本気で買い付けをしなければならない。

買い付けは命。

利益の源だからだ。

買い付けの場は切った張ったの世界なのだだ。

例え今日の商売の種である商品を売ってくれる

仕入れ元の市場であっても、

納得出来ない事があれば毅然とした態度で

物申さなければならないし、

分からない事は恥ずかしがらずに

尋ねなければならない。

なぜなら、素人には分からない魚の種類や

鮮度や加工法を、消費者に代わって目利きし、

食べ方を教えてあげるのがプロの魚屋の使命だからだ。

そもそも、商売というのは基本的に購買代行だ。

どの市場や漁場にいい魚が集まってくるのかの

情報収集に余念あってはならない。

その目利きの高さや市場選びの精度で、

売り場に並ぶ魚の種類や鮮度が良くなり、

「良い魚屋」には多くの客が付く。

コンサルタントの仕入れは、ノウハウや考え方の学びだ。

いろいろなノウハウや考え方を仕入れる。

プロとして、普通の経営者が分からないビジネススキルや

考え方をクライアントに代わって目利きをし、

仕入れなければならない。

また、どのノウハウが各々のクライアントに

良いのかの情報収集に余念があってはならないし、

日々学ばなければならない。

なぜなら、その仕入れの元銭はクライアントから預かっているものだから。

そして、情報も鮮度が命だから。

コンサルタントの中には、自分が学んでいる事を

クライアントに見せる事を恥ずかしいと思う人も

いるようだ。

しかし、商売の原理原則に立ち返った時、

お客さんに美味しい魚を届ける為に、

全国の市場を訪ね、漁師さんに食べ方を学びに行く

魚屋さんを恥ずかしいと思うだろうか?

否、お客さんは感謝するはずだ。

逆にもし、私のコンサルティングやセミナーで

よく分からない事があれば、何でも聞いて欲しい。

その行為は、暇つぶしの冷やかしでなければ仕入れだ。

アウトプットが前提である限り、何でも聞いて欲しい。

全てに明確に答えたい。

しかし、それで私が困ればそれはそれで素晴らしい事だ。

世界は広い。

全てを理解し切ることは出来ない。

だから、私は仕入れに行く。

お客様は神様です、と誰かが言った。

しかし、売る物がなければそもそもその神様が存在し得ないのだ。

仕入れる事も売る事と同じように大切だ。

川上から川下まで、上から下へ商品は流れて行く。

そして川下の情報を川上に届ける。

その流れをマネジメントするのが流通業界でいう

SCM(サプライ・チェーン・マネジメント)の概念だ。

Supply Chain Concept

Supply Chain Concept

情報の流れを滞らせてはならない。

流通業界では当たり前の事を、

コンサルティング業界でも作っていこうと思う。

日本では「先生」と「生徒」には上下関係がある。

コンサルタントも「先生」と呼ばれる事がある。

しかし、この情報化社会においては、

「先生」は仕入れ元の市場、

「生徒」は魚屋さんと置き換えてみてはどうだろうか。

そして、「生徒」であった魚屋さんは

魚を買いに来るお客さんの「先生」になるのだ。

私自身、今日も仕入れを怠らず、そして

明日もそれを届けようと思う。

もし、当社のセミナーでいい情報が「仕入れ」られたら、

それを、あなたのお客さんにしっかり「売って」欲しい。

そして、うまく売れなかったら、

川上の私に知らせて欲しい。

その情報は私自身も解決に努める義務があるし、

場合によっては、さらに川上に届ける必要がある。

そうする事で、情報の流れが全体最適化され、

社会がより効率的に発展していくから。

それが、私の考える情報の

サプライ・チェーン・マネジメントである。



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