コラム

つながり

コラム 2016/01/31


自宅近くの広大な再開発現場で、

作業員の方の詰所や、高層ビルを立てる

クレーンのアームに美しいイルミネーションが

輝いているのを見つけました。

「あー、こんなに地域住民の事を思い遣って

工事がされているんだなー。」と感心するとともに、

このアイデアを出してくれた方に

感謝の念を覚えました。

しかし、後ほど私がふと思ったのは、

昔の人は地域住民に気を遣っていなかったのか?

という事でした。

イルミネーションの美しさに惑わされそうでしたが、

実際には今も昔も変わらず、

地域住民の事を思い遣りながら

工事に励んでくれていた方が

ほとんどではないかと思うのです。

一方で、現在では発光ダイオード(LED)という、

わずかな電力で長時間にわたり美しい光を放つ

照明技術により、

イルミネーションを低価格で

飾り付けることが可能になりました。

特に、日本人が発明し、

ノーベル賞を受賞した

青色発光ダイオードのおかげで、

最近のイルミネーションは本当に
美しくなりましたね。

12316443_499458163566074_5618187937956688944_n

そう考えると、

今も昔も工事に従事される方の気持ちに

大きな変化はなかったとしても、

その気持ちの表現方法の選択肢が

広がってきたということではないかと、

思ったのです。

このイルミネーションに限らず、

10年、20年前には非現実的であったことも、

今なら出来るということが

たくさんあるはずです。

そこで、一つの現象を見て、

時間と空間を超えたつながりを発見できるか

というのは、ビジネスマンにとって、
とても重要な観点であるな、

ということに気づきました。

工事現場のイルミネーションを見て、

そのアイデアを出した人や、

イルミネーションの飾り付けを

してくれた人だけではなく、

その光源を開発してくれた人まで

つながりを見出せるか?

あるいは、このLEDという光源を

安価で生産してくれた工場の人や、

配送してくれた人、

さらには、その原料を生産したり

配送したりしてくれた人もいたでしょう。

また、最近では、

スマートフォンや電気自動車の普及により

高効率な蓄電池の開発も

進んでいますが、

この技術もきっと私の自宅そばの

夜景を綺麗にしてくれている

大きな要因の一つのはずです。

そう意味では、

スマートフォンを開発した人や

電気自動車を考えた人にも感謝です。

さて、なぜ私がこのつながりを

発見する力が大事であると

考えるかというと、

そこに需要と供給の関係が

見えるからです。

また、ある商品を取り巻く

人間関係や利害関係、

さらには、そこにある

生活風景が垣間見えてくるからです。

さらには、次に起こる商品や

サービストレンドのヒントも

隠れているはずです。

このように考えると、

「つながり」という切り口で

物事を見ることは、

私たちのモノやサービスを

生み出すマーケティング力を育みます。

少し想像力を使えば

見えてくるつながりの先に、

ニーズやウォンツが隠れています。

それを解決し、叶えて上げられるものを

形に出来たら、今よりちょっと素敵な

世の中を作ることが出来るはずです。

それは、美しい光で私の一日の疲れを

癒す効果を大きく超えるほどの

ものかもしれません。

今見える風景から、

どんなつながりが見えますか?

そのつながりに思いかげず感謝を

覚えることもあるかもしれません。

それは、何気ない日常を豊かにしてくれる

スパイスとなるのではないでしょうか。



pagetop