次に2)行き方が分からないという場合。
これは、ズバリすでに成功している人や
専門家に聞くのが一番です。
結果が出ないコーチングなどでは、
「答えは全てクライアントの中にある」
などと言いますが、「やり方」に関して言えば、
ほぼ間違いなくクライアントの中に良質な答えは
ありません。
「やり方」には基本形があります。
野球の天才イチローでさえ、基本を押さえた上で練習を
積み重ねているはずです。
もちろん経営に余裕のある会社で、会社や社員の
成長を願ってあえて遠回りをする、という選択肢も
あるでしょう。
しかし、情報があふれてかえっている現代では、
アイデアを形にする時間のスピードによって、
出来たものの価値が変わってきます。
アイデアそのものには価値はありません。
それを形にするスピードが価値の高さと言えるのが
現代です。
特に、自分が成功しているだけでなく、教える事にも
長けている専門家を活用する事で、成果を手に入れる
時間が大幅に短縮されます。
時間はお金で買える時代になったのです。
注意しておきますが、業界の常識を破りたい、
といった特別な理由でもない限り、いくら他の分野で
実績を出している人であっても、その道の
専門家以外のアドバイスは聞くべきではありません。
それを知らずに、逆に遠回りをしている人の
なんと多い事か。
まずは基本のやり方をその筋の専門家に聞きましょう。
見た事のないトリニダード・トバゴの国旗の書き方を
頭のいい人を集めて想像しながら描いてもらうのと、
その国の普通の小学生に尋ねるのでは、正しい国旗の姿を
目にするまでの時間はどちらが早いか?
結果は明白です。
3)の迷子が今どこにいるか分かっていない点に関しては
意外と気付きにくい盲点です。
スマホの地図アプリに行き先を入力すれば
目的地までの行き方は分かるはずであるにも関わらず、
自分がどちらを向いてるか分からないので困った
という事がありませんか。
正確な現状把握ができない限り、専門家すら手の打ちようが
ありません。
病院に行ってもまずは、現状把握をします。
体温計、血圧計、心電図、レントゲン・・・。
全ては現状把握するための道具です。
そして、現状把握のコツは病院の診断結果が
そうであるように、全てを数値化(見える化)する事です。
会社の売り上げ、利益、利益率、商品数、商品構成、
その伸長率、人件費、社員数に資金繰り。
これら全てが正確かつ明確に把握出来て
初めてどこを改善すべきか分かってきます。
経営計画を作る時、どうしてもこれらの数値に
向き合う事になります。
現実を見る事は時に痛みを伴いますが、逆に
これによって案じるべき事と、そうでない事が
明確になり、結果的に多くの悩みが解消されます。
逆に、現実に向かい合わず、ただ「やりたい事」を
決めるだけの経営計画は絵に描いた餅になりがちです。
このように、正確な現状把握、明確なゴール、そして
正しい戦略を手にいれるプロセスを経る事で、
「迷子」状態の会社も明るい未来への第一歩が
踏み出せます。
さらに、この経営計画を文書化し、社員や関係者と
共有する事で、組織も動き出します。
過去の積み上げで手に入れた「出来る事」と、
将来ビジョンである心震わせるような「やりたい事」。
この二つが明確になった時、今「やるべき事」が
ミッションとして明確になります。
そして、会社の過去を知っている社員が
社長の描く未来を理解し、それを実現する具体的な
方針や戦略が期待を込めた役割として示された時、
社員は嬉々として行動を起こすはずです。
ちょうど、間も無く決算という会社も多いでしょう。
新しい期に向けて、是非一度経営計画の作成に
取り組む時間を取ってみてはいかがでしょうか。
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ちなみにトリニダード・トバゴの国旗はこちらです。