コラム

決めた行動を続ける熱意を、持ち続けられる理由はあるか?(前編)

コラム,新着情報 2016/09/20


【参謀の眼】

社長が頭を悩ませる事の一つに
新しいプロジェクトや新規事業が
立ち上がらないというのがあります。

また、先日も、東京のあるコンサルタント志望の
方から、新しい商品(無形の教育コンテンツ)を
作っていきたいが、どうしていいのか分からない
というご相談をいただきました。

「私は、お客様と会社がWin-Winになるような、
クリエイティブな仕事がしたいです!」

採用面接で学生さんが、輝く笑顔で口にする
「決めゼリフ」ランキングのナンバーワンです。

しかし、クリエイティブな仕事が出来る人は、
ほんの一握りです。

業務の現場にいると、それをひしひしと感ざるを
得ない経験をした事があるのではないでしょうか。

しかし、なぜ、そのような事が起こるのでしょうか。

まずは、この「クリエイティブ」の意味を
整えなければなりません。

ここで言う「クリエイティブ」は広告業界などで
言われる広告などの制作物を指す名詞としての
「クリエイティブ」ではなく、
創造的なという形容詞としての意味の
「クリエイティブ」です。

すなわち、ゼロから1を生むような
新しい価値を自らで創り出し、商品化し、
売る側も買う側も納得の価格で
取引される状態までもっていくという事と
します。

もちろん、ゼロからとは言っても、
モノやアイデアの溢れる
現代においての話であるため、
既存の商品の新しい組み合わせなどによる
価値創造があっても構いません。

とはいえ、このような自社内に
「未だないもの」をひとつひとつ
積み上げていく事は
そう容易ではありません。

Seven sea stones on a beach in the summer morning

よくあるパターンがこのような感じです。

新規事業立ち上げの任を受けた
プロジェクトリーダーが社長にプレゼンします。

「◯◯をターゲットに、▲▲商品を
**という切り口で売ろうと思います。」

「ターゲットは〇〇ではなく、
◎◎の方がいいんじゃないか?」

「そうですか。では、◎◎で考えてみます。」

「おう、よろしく頼むよ!」

 ・

 ・

 ・

「社長、今回は◎◎をターゲットに、
▲▲の販売について考えてみました。」

「うーん、◎◎ターゲットだったら、
▲▲は売れるの?もう一回考えてみて。」

「・・・はい。」

 ・

 ・

 ・

「社長!今回は◎◎をターゲットに、
@@を販売する戦略を考えました!」

「@@?それって、売れるの?
そもそも、ターゲットは
◎◎でいいのかなー?」

「いや、しかし、ターゲットは◎◎がいいと
おっしゃったのは社長ですよ。」

「そうだっけ?いや、そもそも◎◎層の
消費って活発じゃないからさー。
★★の層とかどうかな?」

「・・・。(じゃあ、最初から自分で
決めればいいじゃん!!)

 ・

 ・

 ・

そして、次の提案が来なくなっていく・・・。

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この光景、幾度となく、津々浦々で
繰り広げらててきたのではないしょうか?

このギャップは何か?

その根源は、ゼロから1を創る過程を
体感的によく知っているかどうかに
根ざしているのではないかと考えます。

そもそも、ゼロから1を創るには、
トライ・アンド・エラー(試行錯誤)の
連続であるという前提が必要です。

会社組織に所属していると、驚くほど多くの
資源を会社に依存しながら仕事をしています。

しかし、多くの人は、その事を頭では
知っていても、実感として意識はしていません。

そして、そのトライ・アンド・エラーで
失うものも、すべては会社に属する資源です。

投入した従業員の数、その給与、
投資した資料やサンプル費用などが
その例です。

しかし、そのトライ・アンド・エラーの過程で
被る肉体的・心理的ストレスだけは
従業員個人に属しています。

ここは、会社がフォローしようにも、
「頑張れ!」という動機付けくらいしか
出来ていない事が多いのではないでしょうか。

収益が上がるかどうか分からない事業の
立ち上げメンバーの報酬をやみくもに
上げるわけにもいきません。

あるいは、「それが仕事」でしょう?と、
切り捨てている場合もあるかも
知れません。

しかし、それでは、従業員は
「やってられない!」となる事が多いのです。

これが、新規事業を立ち上げるのが
難しい理由の一つです。

なぜならば、従業員さんがこのギャップの
本質に自然と気付き、「仕事」に対する
考え方や、取り組み方を自ら変えていく
ような整った環境は、通常準備されていない
からです。

では、どうすれば、従業員を甘やかす事なく、
この壁を打ち破って創業者が作ってきたように、
新しいビジネスを既存の組織において
立ち上げていく事が出来るのでしょうか?

その解決策に向けた、いくつかの事例を後編で
お話ししたいと思います。



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